東京都小平市立小学校の6年生だった元児童が担任教諭から不適切な指導を受けて不登校になったとして、市に約330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、東京地裁立川支部であった。中村恭裁判長は、担任教諭が元児童の人格権を侵害したと認め、9万9千円の支払いを命じた。
判決によると、担任教諭は2022年度、教室内で爬虫(はちゅう)類のカナヘビが逃げ出した際、元児童がカナヘビをもてあそんでいたと早合点し、強く叱った。また、授業中に元児童の脇腹を延べ20回以上指で突いて指導したり、ほかの子どもたちが元児童をからかう中で所持品検査を行ったりした。
判決は、担任教諭の行為を「教育的指導の範囲を逸脱したもの」などと指摘した。一方、元児童が不登校になった因果関係は認めなかった。